イメージ映像の表書きには「FACTORY RECERTIFIED」とでかでかと書いてあり元の型番が想像できない謎のST--000NM000Cシリーズのうち、26TBのST26000NM000Cを買ってしまった。
26TBのHDDなんて普通持て余すに違いないと思う人もいるかもしれない。
が、私は今年頭にパソコンのディスプレイを1080P→4Kに買い替えて解像度が4Kになったことで、それまで画面いっぱいのデスクトップキャプチャしたAVIは1時間で500~600GBという程度だったのに、4Kになったら30分で500GB~600GB行くようになってしまった。このため2~3時間録画すると3TB平気で消費するようになり、今まで愛用してきたSKYHAWKの18TBでは限界を迎えつつあったため、一時保管先の箱として大容量HDDの入手が必要になったのだ。
ちなみに別にデスクトップキャプチャはみんな容量食いというわけではなく最初からH264やNVENCで録画すれば容量面はクリアできるが、最初からエンコードして録画すると画質がどうしたって動くノイズの領域にいるので私は可逆圧縮のAVIで録画してエンコードしている。
このシリーズのスペックに関してはデータシートを見れば大体は把握できるが、
キャッシュ512MB・MTBF250万時間・7200回転とサーバーHDDとしては見慣れたスペックだが、アクセス速度190MB/sというのは例えば24TB・ST24000NM002Hの285MB/sと比べると相当遅い。これは最近突然出てきたBarracudaシリーズのST24000DM001に似ている。
しかしながら末尾000Cのこのシリーズのメリットはなんといっても容量コスパ。再生品だから特にという所はあるが26TBでも6万円台で買えるのは新品が10万円中盤な状況を考えれば驚異的な安値だろう。
そして実際の使用感はそんなに悪くない。
HDDを買って最初にやることはサーフェステスト。これを怠って使ってから不良セクタが出ても自分の責任になる。ただ、26TBともなると時間が相当かかり、
37時間、ほぼ1日半ずっとサーフェステストをやっていた。これは連続書き込みではないのでHDD自体には負担が少なく発熱は気にしなくてもよかったが、最初14500MB/分~終盤11000MB/分というアクセス速度からして、外周241MB/s~内部183MB/sというアクセス速度というのがわかる。
実際CrystalDiskMarkではまっさらな状態なら250MB/sを記録しているためデータシートより速度が出ているように見える。
まあなんといっても18TBのHDDが普段使いだった場合そこからさらに8TB純増しているのはインパクトがでかい。SeagateのEXOSの商品説明でよく目にする
ラックあたりの容量増加(今のものを大きいものに置き換えると)
消費電力低下(容量そのままで台数を減らすと)
という謳い文句も納得できるし、ディープランニングなどで大容量のサーバーが欲しいとなればアクセス速度はRAID構成で稼ぐとして容量自体はどうしようもないので、安くてCMRなHDDが重宝されるというニーズには合致している。
最近SeagateはMOSAIC3+
という記録方式で30TB超えのHDDを企業向けに出荷しているらしいが、ホームページには記録方式「SMR」と書いているので一般人は使えないことから、普通のPC環境で利用できる限界は000CシリーズのHDD(の28TBのST28000NM000C)ということになるだろう。
よく出回っているST8000DM004もSMRだが、(そもそもSMRをRAID構成に組み込むと性能がすこぶる低下するためこいつもパリティとかにしてはいけないのだが、)サーバー向けSMRはさらに専用の書き込み手段で運用しないといけないため一般のデスクトップPCに繋いでも使えない。