とんでもない破格値で売っていたST18000NM000J
もし18TBのHDDが3万前半で売っていたら。
しかし仮定の話ではない。
もちろんカラクリがあり、対象はリファービッシュである。再生品という意味であるが、メーカー再生品は「故障でメーカーに送られたものを修理し検品し再出荷したもの」なので状況的には新品である。しかし圧倒的に保証期間が短い。たいてい家庭用だと1年か3年、企業向けだと5年というところだが、リファービッシュはストアによっては90日である。それでもパリティやミラーなどでバックアップ込みの利用なら恩恵にあずかれる。
ちなみに18TBのHDDが新品なら東芝のMG09ACA18TEが49800円で最安値である。
これがリファービッシュだと34000円で売られている。しかもサーバー用パーツを販売している販売店でなのでいかがわしさは無い。
デメリットはアフターケアの期間の短さだが、3年無事に持たせて同じサイズに買い替えれば相当元は取れる。
というわけで表題の
をなんと33000円で買ってしまったのだ。
以下使用感を書き連ねていく。
額面スペック
使い立てほやほやだと読み書き共に270MB/sという高速であり、末端になっても200MB/sは出る。しかし根本的に容量が大きいのでサーフェステストは文字通り丸一日かかる。
今わたしはこのHDDを7TB使っているが、まだ9TB空きがあるというのは圧倒的だ。
たった1台で容量の問題をすべて解決してくれるだろう。逆に言えばこの1台に不具合が出れば一瞬で致命傷になるわけでもある。
このデータシートによると消費電力はアイドル5.3W、最大9.4Wということになる。しかし厳密には異なる。
こっちがマニュアルなので、非常に非常に細かいデータが書いてある。とても見づらいが、13P目に最大9.45Wと書いてある。一方EXOS全般でAPMに対応していないので本当に省エネで動いてくれているかはSEAGATEを信用するしかない。
そこより重要なのは起動に2.6A使うということで、電源ユニットから直にSATA給電していればまだ安全だが、4PinをSATA電源ケーブルに変換などイレギュラーな給電をしていると、パソコン起動時にOSがいつまでたっても立ち上がらなくなることがある。電圧が足りずにHDDが動かせないのだ。このケースに対して東芝とSEAGATEは弱く、東芝は再生不可能なセクタを沸かし、SEAGATEはファイルの破損をもたらす。
逆に電源ユニットの電力供給に余裕があり、ユニットから変換ケーブルではなく直に電源供給している場合は問題は一切なくなる。電気の取り方ひとつで致命傷があるのが恐ろしいところである。
HDD全般として16TBより18TBの方が若干消費電力が大きい。これはプラッタが1枚多いからだが、すでにデータが入っているならなおさら電源の繋ぎ方に注意しなければならない。今問題なく動いている接続なら触らないことがいいこともある。
音と振動は100%駆動時に結構ビビり音を出すため、HDDをトレーに刺して接続するタイプだと筐体にねじ止めしないので予想外にうるさい可能性がある。またEXOSの電源切れたりブート時のように吹き上がる瞬間かなり揺れる。これとトレータイプのビビり音が組み合わさるととんでもない大音声が鳴ることがあり、とても心臓に悪い。なにしろ東芝もWDもこんな音はさすがに出さないからだ。
結論
メリットはそのままデメリットである。
容量が大きいということは臨終したときのリスクが高くなるということだ。
サーバー用HDDを買うということは静穏性という概念は存在しないということだ。
電源供給も6TB、8TBのHDDより余裕たっぷりに構成しなければならない。
しかしSATA端子は節約できるし、リファービッシュという奥の手なら8TBのHDDを2台買うのと変わらない値段でストレージを購入できる。
普段使いするなら18TBのストレージなんて使いきれないくらいだが、だからこそ1台買って終わりにすることもできる。
結局は考え方の問題だが、一つ言えることはCMRのHDDではヘリウムHDDの方がコスパがよくなるということだ。
10年使いきれないほどの大容量HDDを買ってみるのも酔狂だろう。