人生エクソダスしてなにものからも自由になりたかった

遁世したい。でもできない中年男の独白。

我慢できずに買っちまったSeagate EXOS ST16000NM001G

 

  こないだSkyhawkのST14000VX0008を買っちまったのにもかかわらず、我慢できずにEXOSのST16000NM001Gまで買っちまったwwwwww

 あかんわ金ないのに

 きっかけはBarracudaのST8000DM004に5TB(3TB使用)のパーティションをクローニングしたときほぼ2日かかってしまったことから書き込み速度の遅さに憤死しそうになったので、我慢しようとしつつ一週間こらえたもののやっぱり無理だったので購入したのだ。日本でサーバー用品を売ってるところでは高いものの海外ではそうでもない(Ironwolfより安い&東芝のと同価格帯)ので、実は16TBのHDDの中でも安い方でもある。が売ってる場所による。

 このEXOSというのはSeagateのHDDの中でもフラッグシップというか、新機軸を盛り込むならまずEXOSと決めているらしく、ディスクヘッドを上半分下半分で別々に動かして読み書き速度を2倍にするという”MACH.2”という技術を盛り込んだHDDもEXOSから出ている。ただしSASなのでSATAでは使えないことから環境は限定的だ。

 ちなみにこのNM001Gの方は普通のタイプで、他にFastFormatタイプのものなどバリエーションによって末尾に文字が追加される。なお、販売サイトによってはSATAなのかSASなのか明記していないところもあるのでとても注意が必要だ。

 ST16000NM001Gのデータシートはhttps://www.seagate.com/www-content/datasheets/pdfs/exos-x16-DS2011-2-1910JP-ja_JP.pdf

 詳しい仕様書はhttps://www.seagate.com/www-content/product-content/enterprise-hdd-fam/exos-x-16/en-us/docs/100845789h.pdf

 

 というわけで所感を述べる。

 

 まずはサーフェステスト。

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  さすが16TBのHDDというべきか。ディスクチェックに圧巻の20時間を要した。その一方、Skyhawkでは14000MB/mから始まって10000まで落ち込んだ読み込み速度は15000MB/mからなかなか落ちず、半分切ったあたりから落ち込んで結果12000MB/mに落ち着いた。Skyhawkより読み込み速度は良好のようだ。まあディスクの仕様から考えると、Skyhawkが220MB/sに対してEXOSは260MB/sなのでこの結果は当然でもある。

 ちなみにBarracudaのST8000DM004は最初10000MB/mから7000まで落ち込み半日を要する。8TBだけどアクセス速度が遅いのでほぼ同着になってしまうのだ。

 

 そして実際のスピードテストはというと、

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 どういうわけかSeagate東芝は16TBの方が性能的に優れているため、16TBの方が14TBよりアクセス速度とか電力消費とかが良好なスペックを持っている。だいたい1TBあたりが14TBだと2842円、16TBだと3200円くらいなので値段的には14TBがいいかもしれないが。

 半分程度使ってこなれてくると、

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 だいぶ下がるもののそこまで酷いものではなくむしろ優秀である。とりわけ書き込み速度が遅くならないというところが強い感じがあり、レイテンシの低さが超優秀(これ以上の性能のものが15000RPMとかいう超高速回転のHDD)という売りの一つをいかんなく発揮している模様だ。とにかく遅くならないことを重視しているような作りの一方で、キャッシュは普通の256MBだ。これはWDや東芝が倍の512MBなことを考えると少ない感じはするが、このHDDに限らずSeagateの16TBはどれも256MBなのでこれでいいという判断なのだろう。

 ねじ穴は他のヘリウム充填タイプと同様。つまり横はよくても底のねじ穴の位置が普通のHDDと違うので、シャドウベイに底を留めたカートリッジとして挿入する場合、コードの圧迫感がなかなか厳しいのでケースを閉められない・閉めるとコードがきつく曲がるというショートの危険性がある。

 16TBともなると額面と手取りの差がとんでもないことになる。最近Windows以外の環境も普及してきたことからMiBやTiBなどの表記方法も普及し始めていて、このHDDも16TiBなわけだが、実際Windowsで使うと16000GBが14902GBまで落ちる。がしょうがない。常人はこんな16TBも何に使うんだよということになるだろうが、実際8TBを2つ使っていればこれと同じなわけだから、8TBの中身をこれに移し替えてさっさと8TBの方は売っぱらってしまうのがいいだろう。

 このHDDはサーバー用・企業向けであるからして堅牢であり、一応5年保証もあるが、それはつまり企業ではサーバーとしてRAID50とかで組んでるだろうから、パリティによって不良HDDを交換してもデータの損失には至らない(複数台が一気に壊れれば別だけども)と考えられているからだ。つまり個人が一本刺ししている状態では保証があってもデータ復元は別の話であり、なにか問題があったら場合によってはデータロスを覚悟せねばならないが、普通に使って入れはまず壊れない。熱耐性は一応5~60℃ということになっているが、こんな環境で使えば寿命が縮むに決まっているので45℃以下まで下げた方がいいし、40℃超えないように風通し良くしたりするのは誰も言わないが当然の気配りだ。

 音に関して言えば静音とは言い難く、特に電源を入れた時の音が昔の給湯器を思わせるガガガという音となかなかの振動が加わり驚愕する。それで済めばいいが、普通のwindowsで使っている場合、電源オプションの詳細設定で”HDDの電源を切る”を”なし”か長時間にしておかないとディスクアクセスが切れてだいたい15分くらいで電源が落ちるので、この異音ともいうべき音を定期的に聞く羽目になる。これがST8000DM004みたいにキュイーーンボリュリュみたいな感じでないのが故障を疑ってしまう。がエラーは一切ない。

 

 16TBのHDDとして候補を考えた時、東芝MN08ACA16TはQNAP DIRECTでは30ドルほど安いもののQNAP DIRECTは日本への(海外への)発送非対応で、日本への輸出対応している他では1000円くらい高いとかでほぼ同価格であり真っ先の競合相手である。しかしST16000NM001Gは平均レイテンシ4.18msという秘密兵器に対し、東芝はオプションすべて取り払ったかのような潔い単純性能での勝負になるので、個人利用なら好みで決めていいだろう。