人生エクソダスしてなにものからも自由になりたかった

遁世したい。でもできない中年男の独白。

改めて「AMD StoreMI」の良し悪しを検証する

 前に記事を書いたときの構成は[ST8000AS002+Crutial SSD 525GB]だった。

 この場合SSDの256GBをキャッシュとして使っているときはSSDの速度でやりとりをしているので読み書き400MB/sくらいの速度が出るものの、最初の一発目の読み込み・SSDからの書き込みの場合はキャッシュがまだ効かない部分なのでHDD本来の読み書き速度になる。で、このST8000AS002は現行のDM004より読み込みは少し遅いくらいだが書き込みがdm004の半分くらいで、DVDのごとく使い方をせねばならないようなものだった。なんでこんなHDDを使ってしまったかというと、StoreMIの主な使い方である、「余ったHDDとSSDで高速アクセスを実現」という売り文句にまんまと乗せられてしまったからだ。数か月使ってみてSMRじゃないHDDも使ってみて、改めてこのStoreMIはどこに需要があるのか確認したい。

 

 一番手っ取り早く読み書き速度を上げる方法は、パーティションを構成するクラスタサイズを大きくすることだ。

 これによって10~15MB/sは簡単に上がる。その一方クラスタサイズが大きくなるということはデータの敷き詰めが綿密でなくなることを意味するので、アプリケーションは露骨に”ディスクの圧縮 オン”の状態に比べてデータが大きくなる。これによってだいたい1.2倍は容量を喰うようになる。なのでHDDの余裕がないならむやみにクラスタサイズを大きくするべきではない。

 また、そもそもクラスタサイズを大きくする方法は「新しくパーティションを作った時クラスタサイズの設定をデフォルト(4KB)から大きくする」ことから、単純にゲームデータをコピーしてしまったらコピー先でゲームが起動できないという場合もあり、再インストールの可能性も考えると面倒くさい。

 

 StoreMIを新規で作るときはとても単純だ。FastにSSD・SlowにHDDを設定してしばらく放っておけばドライブの一番下に仮想ドライブが作られる。”一番下”というのはWindowsのディスクの管理とかパーティションソフトとかで一番下に行っているからで、特にパーティションソフトがない場合StoreMIで構成を作ったあとの手際がとてもわかりにくい。併せて「EaseUS Partition Master」「MiniTool Partition Wizard」とかを入れておけば今後のやりくりも便利だろう。私はMiniToolの方を使っている。

 注意しなければならないのは、これらパーティションソフトで見た場合、StoreMI構成したHDDやSSDは空として認識されていることだ。ではデータはどこに行ったかというと、HDD+SSDで作られた一番下に行った仮想HDDだ。これのまずいところは仮想HDDの元になったHDDやSSDはフォーマット、パーティション新規作成ができてしまうことだ。これによって仮想HDDの方のデータが二重になって、読み込み不可能になってしまうかもしれなくなる。

 そうした注意を払ったうえで仮想HDDに、今あるゲームデータの入ったパーティションのクローニングや新しくデータを入れたいパーティションの新規作成をすることでStoreMIを使った仮想HDDの構成が完成する。

 が一番最初に言った通り、一回読み込んだデータをまた読み込んだ時、最大256GBのキャッシュに書き込みデータをプールしているときはSSDの速度がいかんなく反映されるが、一発目の読み込みとキャッシュを使い切った後の書き込みでは、HDD本来の性能でどうにかするしかないのだ。StoreMIがどうなのかという検証ブログでゲームの読み書きをことさらに言及するのは、ゲーム以外の用途ではStoreMIを使うメリットがほぼないからだ。写真の入ったフォルダや動画の入ったフォルダを読み込むとき、2回目以降も頻繁に使うだろうか。一度動画を再生したらしばらく触らないだろうし、写真の入ったフォルダも目当てのものを探すまでは1回目の読み込みだ。StoreMIが効いてくるのはそれ以降だ。StoreMIで扱うデータが動作している間ディスクアクセスをよく行うアプリケーションソフトの場合、2回目以降の読み書きをSSD上でできるStoreMIの恩恵を授かれる。

 一方StoreMIの解除はとても手間だ。解除の時にSlow Tier(HDD)の方にデータを退避させるかパーティション削除かを選択するが、いざデータを退避させようとしてみれば、

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 SSD側の余り(525GBのSSDのうち256GBをStoreMIして余らせる)になんか作ってたら消しますよ、HDD側も変えますよ、とメッセージが出てくる。これだけなら別に問題が無いが、その後「移し替えに失敗しました」のメッセージが表示されて終わった。仮想HDDには256GBの空のパーティションが一番右に作られてはいた。なので新しく買っていた空のHDDにStoreMIで構成していたパーティションを全部コピーしたうえでStoreMIの削除を行った。これはエラーなど出ずにつつがなく完了した。

 つまりStoreMIが当初謳っていたような、HDD+SSD最高256GBで若干膨らんだ容量を解除の際にHDDに移し替えるというような方法はうまくいかないということになる。あるいはStoreMIに構成していたパーティションが1つ以上あったことが原因かもしれない。がStoreMIを安心して解除したいならデータの引っ越しをするべきだろう。

 そこまでしてStoreMIを構成することにどんなメリットがあるか、という気にもなるが、単純にゲームを入れておくだけの容量があるSSDは高いのだ。例えば1TBのSSDはSATA3の場合15000円くらい、M.2の場合20000円前後だ。対してHDDは4TB・8000円、8TBでも15000円だったりで断然安い。そこで256GBのSSDは5000円くらいで買えるので、全部が全部SSDならそりゃ早いけどSSDキャッシュのHDDでもほどほど早いから…という動機でSSHDの気分でStoreMIを構成するのがベターなのだ。ここでNAS用のHDDみたいな読み書き250MB/s出るようなHDDだった場合、StoreMIは若干宝の持ち腐れだ。このくらいの早さならゲームもソフトも普通に機能するからだ。それで遅い場合は「デフラグがされておらずデータがあちこちに飛び飛びなので遅い」という原因は大いに考えられる。SSDは延命の関係で断片化前提なのでデフラグがどうとか考えるまでもなかったが、HDDの場合断片化は露骨に影響が出る。
 StoreMIが効きそうなのはSMRによる書き込みを行うHDDで、これは読み込みは普通のHDDと同じくらいなものの、書き込み速度が半分以下というものだ。そうまでして得られるものはプラッタあたりの記憶容量だ。現状HDDは限界追及してもプラッタが9枚しか入れられない。そこをヘッドの工夫とかでやりくりしていたが、根本的に密度を上げる方法ではなかった。SMRを用いることで密度を上げて、ヘリウム充填せずとも大容量のHDDを作ることができるのだ。

 SMRのHDD+SSDによるStoreMIで想定されるメリットは、

 1発目の読み込みはHDD由来でそこそこの速度・2回目以降はSSDから読み込むので高速 → ゲームを入れても最初の一回目を我慢すればいい

 書き込みは遅い → SSDにプールするのでSSDのキャッシュがいっぱいになるまで露骨に遅くならない

 というところがポイントになる。

 StoreMIは万能的に速度上昇が見込めるシステムではないので、何を保存してどう利用するかを分析したうえで移転先に決めたいところだろう。

 

 

 

 

 なんて言ってたら3/31でサポート終了ですかあ!そうかそうかそうですか!

 これから新規で導入する人は19.99USDからのFuzeDriveを買って導入するほかないらしい。そしてStoreMIもアップデートするならFuzeDriveへの買い替えをせねばならんようだ。なるほどなあ。

 この価格帯見てみると

 19.99USD SSDを最大256GB使える・DRAMは2GB使ってもいい

 29.99USD SSDを最大1TB使える・DRAMは4GB使ってもいい

 59.99USD SSDを最大32TB使える・DRAMは4GB使ってもいい

 という違いがあるものの、どれも”Single 2 Drive Tier”つまり2つ1組までということなので、60ドル払って32TBでSSHD組む理由がどこにあるのか正直全くわからない。具体的な使用方法を教えてください…