散々苦労してOSドライブを入れ替えた
色々あって今までOSドライブにしてきたSolidigmP41Plusから、昔買ったCrucialのSSD525GBにOS環境を移し替えることになった。それはなんとかうまく行っていたものの、P41の占有分は大体700GBだったため、今の環境で完全復旧しようとしたら容量が足らなくなる。
なのでOSをもっと容量の大きいSSDに換装が必要だったが、昔P41Plusにする前にシリコンパワーのSSD1TBから換装したときは、Minitool Partition Wizard(以降「MPW」)のプロ版を9000円で買って換装、当然そんなにOSドライブのクローニングなんかやらないので1回ぽっきりのために大枚はたいた訳だ。今回も最後まで上手くいかなかったらそうするつもりだったがその前に何とかなったため、その過程を記録しておく。
ディスクイメージからクローン作成を試みる
結論から言うとディスクイメージからOSドライブのクローン作成は失敗した。
ただ全く使わなかったわけではなく元OSドライブの復旧時にこれを作っておいたおかげでなんとかなった場面もあった。
1.バックアップと復元(Windows7)を使う
7以降なら11でも使えるため名称は問題ない。
コントロールパネル>システム>バックアップと復元
を開き、画面左上の「システムイメージの作成」を開く。イメージのバックアップ先のドライブを選ぶ画面になるので、バックアップを作りたいドライブを選択。私はUltrastarのHDD(ホットスワップ可能なSATA。外部接続扱い)を利用した。バックアップする対象を選択する画面になるので、[EFIパーティション][OSドライブ][回復パーティション]を選択し進める。回復パーティションは省略しても回復ドライブがあればいいかもしれないが、EFIパーティションがないとWindowsBootManagerでブートできないし、これを単純にパーティションソフトでクローンしてもEFIが入ってない・破損している等で起動失敗の虞があるためEFIパーティションはバックアップ必須。
このときディスクイメージの作成に失敗することがある。断言できないが、起動時間が長いと色々なサービスが裏で動作して作成の邪魔になるようなので、パソコンの再起動したての時に作ると失敗しない。また元々ディスクイメージがあるパスに上書き保存しようとしても失敗することがあるため、ごみ箱に前に作ったバックアップを捨てて作成すれば失敗しない。
バックアップを作ると回復ディスクを作るか尋ねられる。DVDに焼くなら作ってもいいが、DVDドライブが内蔵でなければ回復ドライブをフラッシュメモリに作った方が取り回しが楽になると思う。
2.回復ドライブをつくる
まず16GB以上の容量のあるフラッシュメモリが必要になる。信用できる販売元ならなんでもいいと思うが、場合によってはUSB2.0とかいう転送速度480Mbpsの代物が出てくるので、5Gbpsの3.0を選んだ方がストレスが少なくてよいと思う。
ただ私のように思い切りすぎて128GBのメモリを買ってしまうと無駄な部分が大きくなってしまうのでやはり32GBが一番無難だろう。
回復ドライブの作成はそのフラッシュメモリを差した状態で、メニューで「回復」と検索すると回復ドライブの作成ツールが引っかかるのでそれを開く。「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」にチェックの入った状態で次に進み、作成先のフラッシュメモリを選択。フォーマットされるのをOKすると作成が始まり、私の場合40分くらい様子見の時間になった。
できあがると「回復」という名前のドライブが作成されており、32GBの容量に対して3GBほどの利用になっていた。私の場合128GBのメモリだったため残りの90GBは未フォーマット扱いになっていた。
3.再起動、ブートオプションで回復ドライブを1番にして復元
再起動時にUEFIを開いて、ブートドライブの順番をUEFI・フラッシュメモリを1番に変更。変更して再起動すると回復環境(WinRE)になるので
トラブルシューティング>ディスクイメージの復元
を選択。このとき私は横着していたので不要なHDDを繋いだまま回復環境に入ってしまったため、フォーマットしたくないドライブがたくさん復元候補に入ることになってしまった。当然データ全消しは避けたいので、フォーマットしないドライブにチェックを入れて、空のSN5000以外フォーマットされないようにして復元を試みたが、これがよくなかったようで何度やってもエラーで先に進まなかった。
結局これを使ってOSドライブのクローニングは失敗したが、このあと大きなヘマをしたためディスクイメージの復元は使うことになった。
Acronis True Image for WDを使う
1.Acronis True Image for WesternDigital(以降「ATI」)をインストール
厄介なことにfor〇〇(WesternDigitalとかCrucialとか)と本家AcronisTrueImageは競合するらしいので、本家はアンインストールの必要がある。
WDのSSDを使うときなどのユーティリティソフトとして「Western Digital Dashboard(Dashboard)」があり、この「ツール」を一番下にスクロールすると「その他のソフトウェア」という項目にてAcronisのバナーがあるのでクリックするとダウンロードサイトに飛べる。注意書きとして”外部接続USBドライブには使えない”、”WDドライブの利用”とある。そもUSBにOSドライブを入れて起動しようとは思ってないので気にせずインストール。ちなみに5年無料で使えるらしい。
2.ATIで「ディスクのクローン作成」
ただのクローンなら”自動”でいいのだが、私の場合のように容量違いのドライブにOSドライブを移し替える場合は面倒でも”手動”にした方がいい。
「ソースディスク」の選択はOSの入ったドライブ(私の場合はCrucial)。「次へ」で「ターゲットディスク」の選択(私の場合はSN5000)。データが入ったドライブが選択されると全フォーマットされる注意文が出るので「OK」。OKをしたら直ちにデータが消える訳ではないのでやっぱりやめてもまだ大丈夫。
「ディスクの使用状況」はOSドライブの入れ替えなので「このコンピュータのディスクを交換するには」を選ぶ。
「移行方法」は「現状のまま(サイズ同一)」「移行先にあわせる(OSドライブがめいっぱい使われる)」「手動(ぜんぶ手打ち)」の3種類あり、私のようにSN5000をOSドライブにすると言ったが4TBもOSドライブに使いたくない、という人は手動一択になる。手動ではめいっぱい宛がわれたOSドライブを1.2TBくらいの適量に変えて余白部分を設けることができ、容量・手前の空き領域・後ろの空き領域を設定できるが数字を手打ち入力できないため、調整バーをマウスで辛抱強く調整しないといけない。当然手前・後ろの空き領域も数字で0を打っても何も起きないので、マウスでドラッグして移動する必要がある。
もろもろ調整して選択完了をすると、ターゲットディスクのフォーマット後クローニングが始まる。私の場合Cドライブが200GBくらいで30分程度で完了した。完了後、
シャットダウン>元OSドライブを外す>再起動
するようメッセージが出るのでそれに従う。
3.起動失敗から回復環境を開く
冗談のようだがこれが正攻法なのでしょうがない。再起動すると「Inaccessible Boot Device」のBSODとなり10秒で再起動、というのを3回くらい繰り返すと回復環境に移行する。この時はスタートアップ修復を繰り返しても意味はない(通常の不具合時は何回か修復・再起動をするとうまく行くことがあるらしい)。コマンドプロンプトを開いて「sfc /scannow」を試すと次回再起動時に修復するとメッセージが出るのでWindows11に戻るを選んで再起動。これでOS起動できるようになる。
と普通にクローニングするだけなら問題なかった。
本来ならここで終わりだったが…
この後の行いが悪く、SN5000が起動不能、Crucialも起動不能、ディスクイメージの復元、クローンつくりなおしになったため顛末を残す。
Cドライブのクローニングをしたものの当初は「現状のまま」で作成したため4TBのうち1TBも使ってない事態になった。このため後ろにゲームデータを入れていた2TBのパーティションをクローン、さらにCドライブも460GB→1.2TBにしようとストレッチ、他パーティションの位置調整をMPWで行った。新しいパーティションを空き領域に作るのは問題なかったが、位置調整をしたのがよくなかった。
予約|Cドライブ|回復|EFI|回復|空き領域
という構成だったため、Cドライブを拡大するためには|回復|EFI|回復|の部分を右にずらす必要があったが、このずらし後にCドライブは利用中のため再起動時に調整とメッセージ。
ここで再起動をしたら全くOSが起動しなくなった。
上のsfc /scannowも次回再起動時に修復と出るが毎回BSOD→回復の繰り返しとなる。DISMの再構成というのもやってみるがうまく行かず、やむをえずCrucialから起動しなおしてSN5000の位置調整をMPWで実行、成功のメッセージが出たため再起動してUEFIでSN5000の起動順位を1番にして再起動、BSOD、BSODの繰り返し。
このときCrucialをつないだまま回復からsfc /scannowをしたのが非常に拙かった。
SN5000の起動に失敗したばかりかCrucialの起動も失敗するようになった。EFIパーティションが2つある状態で、OSの入ったドライブを参照する設定を修正という名の上書きされたことで狂ったものと思われる。EFIがおかしくなったときは手打ち修正よりクリーンインストールが早いと言われるほどおしまいな状態になったが、ここでディスクイメージの復元が役に立った。
結果的に構成がバックアップ前と全く一緒のためCrucialをまず復元。全損の恐怖と戦いながら復旧は成功。まずCrucialからは起動できるようになった。
次にATIでのSN5000へクローニングやりなおし。前回「現状のまま」で作成して失敗したため、「手動」でパーティションを1つずつ、後ろに2TBちょっと空き領域をつくるように調整。クローニングしてシャットダウン、Crucialを外して再起動、BSODからの回復でsfc /scannowし、今度こそSN5000から起動成功。次にMPWで空き領域にゲームデータを入れていた2TBのパーティションをクローン。オーバープロビジョニングのことを考えて4000GB*0.07=280GBの空き領域をつくるようにパーティションサイズの設定、クローニング。使用領域がほぼ1TBあったのでクローンも1時間ちょっとかかったがクローニング完了。
ここで再起動してももうBSODとはならなかった。
教訓として、OSドライブを複数つなげてsfc /scannowは禁忌、Cドライブ以外の構成領域でも余計な操作は禁忌、ということを痛感した。また休みの半日が消滅してしまった。
それにしても当然のように50℃を超えるSN5000の高熱っぷりは驚愕する。Solidigmでもシリコンパワーでもキオクシアでも、40℃超えると熱が出ていると思っていたが40℃どころが50℃も余裕で到達するのは今どきのSSDとしては普通のことなのだろうか?環境としては0~85℃が許容範囲と書いてあるので70℃超えても大丈夫と言えなくもないだろうが、データがぶっ壊れてからでは遅いので冷却設定を厳しめにする必要があるようだ。



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